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街の記憶 [街づくり]

あなたにとって原風景とは何でしょうか。
心療内科医はこんな風に書いています。
「私の原風景は、富山にいた、小学校二年生までの、記憶に残る立山連峰です。そのときの忘我(自我を除いた本当の心)の私と、今の本来の私の心は同じなのです。」(根岸鋼 トラウマに挑戦 文芸社 2011 pp.42)
大人になるとなかなか「忘我」というわけにはいかないですが、私も上の文章を読んで、ああ、それなら自分にもある、と思いました。 
私にとっての原風景は、昭和40年代の信州・松本の街、彼方遠くにそびえる山々。
そして、母の実家(安曇野堀金)の秋、収穫期の田んぼです。
と言ってはみるものの、その風景はすでに遠い記憶の彼方にしか、存在しないのか。

写真は都市の風景を記録する重要なメディアです。
「19世紀以降の都市空間を記録する上で、重要な役割りを果たして来たのは写真である」(杉浦章介ほか 新・地理学Ⅱ(地誌学) 2010 慶應義塾大学出版会 PP.59 )

そんな街の記憶をたどるため、昭和の街角の写真集を、地元の公共図書館で都立図書館から取り寄せて頂き、眺める。昨日が返却期限だったので、図書館の閉館のぎりぎりまで眺めていた。

松本駅から浅間温泉まで路面電車が走り、中心市街・松本パルコのあたりに「はやしや」百貨店があった。

そんな都市の記憶をたどり、新しい街のあり方を探る試みを始めようとしています。

この写真は、フジTVドラマ「白線流し」の1シーンです。千歳橋(せんざいばし 注)方面から、本町方面をみたところ。
このドラマが放映されていた1996年頃には、左後方の交番の隣に、まだ大きな書店(鶴林堂書店)がありました。(2007年閉店のようです。)
写真右手のツタヤは地元の婦人洋装店だと思います。
ドラマでは主人公のその子(松本北高校)たちは、夏のある日、自分たちの高校の学園祭のカンパを集めるため、高校のOBを周ります。
そんな場面です。
tsutaya.jpg

(注)もともと大手橋(おおてばし)という名前だったのを明治9年に架け替える際に東京・神田の万世橋(まんせいばし)にちなんで改名したのだそうです。(笹本正治 すばらしい松本 pp.14 2001 信濃毎日新聞社)


今日は一日、雨が降ったりやんだり。病み上がりで体調もいまひとつだったのですが、残りのEスクを視聴し、連休の間に松本に出かける段取りをつけようとしていました。
連休の間、道路も電車も街も宿も込みそうですが、普段なかなかまとまった休みは取れないので、どうにか段取りして出かけたいと思います。
前の記事にも書きましたが、自分の目で見て確かめないことには始まりません。

記憶といえば、MISIAのこの曲、気に入っています。

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コメント 5

Silvermac

心の中に原風景は残っていますが、現実には跡形もありません。
空襲以前の街の様子は少しだけ覚えています。
by Silvermac (2012-04-23 06:58) 

さきしなのてるりん

体調は戻りましたか?こう気候変動が激しいと体調管理大変。
まとめてコメントしちゃいますが、沖縄はいつか行きたいと思いながらいかれていなくて。どこかに書いたんですが飛行機嫌いで。寅さんみたいにきれいな姉ちゃんにつられていくということもできないし。

頭の柔らかいうちに勉強しないといけないな。この年になると本を読んでも行ったり来たり。先になかなか進めない。

原風景、まだ安曇野の一部には残っています。作られた原風景という面もあるけれど、それはそれで、土地の人たちの熱意の表れと考えて。数世紀先にはやはり原風景として刻まれるような、それに耐えられればいいのかな。。と思います。
by さきしなのてるりん (2012-04-23 10:49) 

斗夢

わたしはどうも原風景ということがなんなのかわからないんです。
by 斗夢 (2012-04-23 12:05) 

駅員3

私にとっての原風景は、30代に数年過ごした沖縄の海かなぁ…ちょっと遅めかもしれないけど、あの時に『人生は一変した』と思います。
それだけインパクトが強かったという事でした。
by 駅員3 (2012-04-23 16:09) 

Azumino_Kaku

yanasan さん、
tsun さん、
Tomie さん、
駅員3 さん、
マチャ さん、
gen さん、
斗夢 さん、
koh925 さん、
さきしなのてるりん さん、
くまら さん、
キャラハン さん、
Falcon さん、
tsworking さん、
Silvermac さん、
xml_xsl さん、
いいだや さん、
Ren さん、
K さん、
さといも野郎 さん、


こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。



☆ Silvermac さん、

こんばんは、
そうですか、空襲前の街の景色でしょうか。
日本の都市は、戦争、震災などで風景が一変してしまったことが多いと聞いております。

そんな街の記憶が、現実によみがえったとしたら、どうでしょうか。





☆ さきしなのてるりん さん、

ご心配をおかけしております。
風邪クスリが利いて猛烈に眠いです。

そういうときは寝るに限りますね(^_^)

沖縄、松本空港から那覇あたりに直行便が出ていると楽なんですがね。

今は名古屋や東京に出ないといけないのでたしかに面倒です。

安曇野にはたしかにまだまだ素晴らしい景色が残っておりますね。
これ以上乱開発などで失ってほしくないものです。

そうです、勉強しましょう。物事、遅すぎるということはありません(^_^)



☆ 斗夢 さん、

それは失礼しました。
ここでの原風景は、「心の奥底にある、失くしたくない景色」のことをさしています。

ふるさとの、山、川、海、街・・そういったものでしょうか。




☆ 駅員3 さん、

そうでしたか。
原風景に年齢はあまり関係ないかもしれないですね。30だろうと60だろうと。自分にとって大事な景色に出会えば、それが原風景かもしれません。


沖縄の海、人生が変わるかもしれませんよ。
それだけインパクトが大きいということですね(^_^)
by Azumino_Kaku (2012-04-23 22:42) 

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