日銀の政治からの独立性もへったくれもなくなりましたね。目的のために手段は選ばないというのはありなのでしょうか。
いったい何のための中央銀行制度なのかと思います。
これくらいの金融政策で問題が解決するならば、とっくのとうに日本経済の問題は解決しているのではと思います。
下の本、アマゾンの書評は散々ですが、私はけっこう面白く読みました。
そこで辛口のコメントを書いている人は、おそらくマクロ経済や金融の詳しい知識を持っている(少なくとも私よりは詳しそう)ように思う。明らかにそういう偏り(バイアス)がある。
つまり経済に詳しい読者が、リフレ政策の危険性について厳密な説明を求めているのに、この本にはそれがないじゃないかというわけです。
まあ、それはたしかにそうかもしれない。
ではこの本は経済に詳しい人が読むことを想定して書かれているだろうか。
私はそうではないと思う。この本は、一読すればわかるが専門家向けではなく、経済リテラシーがさほど高くない一般の人(私も含む)向けのようである。
(新書版だし。タイトルからして素人受けしそうな。かようなやくざ言葉で品がない表現は、私は好みませんが。)
となれば、厳密な記述よりも、直感的な記述、正確さよりも読みやすさを重視して書かれていると考えるべきではないか。
(以前、小暮太一さんの労働哲学の本の批判を読んだときも同様の感想を持った。おそらく読者にとっては釈迦に説法なのであろう。でも世の中には入門レベルの本も絶対に必要だし、需要は入門書のほうが専門書よりも大きいはず。)
つまり、この本は、金融や財政などにさほど詳しくない人が、アベノミクスと、そこに群がっておいしい思いをしようとしている人たちが何を考え、どのように行動しているかを概観するには格好のテキストではある。
しかし経済に明るいアンチリフレ派の読者が、後ろ盾や理論付けを求めて読む本ではないのだろう。
(このあたりが自分にあった本選びの難しいところですね。)
厳密な議論を求める方には、同じようなテーマで、野口教授の「金融緩和で日本は破綻する」(ダイヤモンド社)のほうが向いているように思います。(私はまだ買ってませんが)
ちなみに、この本も辛口のコメントが目立つ。
もしかするとリフレ派が政権を握ったので、アンチリフレ派はいらだっているのだろうか。
アンチリフレ派どうしで揚げ足取りをして、いったい誰が喜ぶかを冷静に考えたほうがいい。
(注)ちなみに私は、小幡さんのほかの本(「世界経済はこう変わる」2009年 光文社 神谷秀樹さんとの共著)も読んでいたので、もしかすると、小幡さんの語り口というか(お会いしたことはありませんが)主張になじみがあるのかもしれませんね。
どちらの本も、論文ではなく、口語体(会話?)で書かれています。
そういう意味(著者の意図を汲みやすい)でも同じ著者の本を続けて読むのは有効だと思います。
そうそう、しばらく時局もの経済書を読んでいたが、そろそろ自分の研究の文献も読まないと。
すでに材料は揃っているが昨年夏以降すっかりやる気を失っていました。
そろそろ再開しないといけない。
2013-03-01 23:06
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時の政権や政治家がトピック的な政策を
発表し遂行しようとすると
必ずマスコミや評論家が推したり引っ張ったり
毎回同じようなことをしますよね。。。。
本を売りたいだけなのか???などと
勘ぐってしまいます。。。。
by 獏 (2013-03-01 23:55)
イタリヤショックから円が回復してきましたね。
by Silvermac (2013-03-02 05:41)
sugoimono さん、
tsun さん、
なんだかなぁ横濱男です さん、
くまら さん、
ma2ma2 さん、
K さん、
RodorigesEX さん、
tsworking さん、
駅員3 さん、
駅員3 さん、
YUTAじい さん、
gen さん、
Silvermac さん、
ryo1216 さん、
銀狼 さん、
獏 さん、
ご訪問ありがとうございます。
☆ 獏 さん、
そうですね・・今回もアベノミクスをねたに儲けている人がいますね。
私も乗せられているかもしれません^_^;
☆ Silvermac さん、
われらが円には頑張ってもらわないといけませんね。
by Azumino_Kaku (2013-03-02 22:35)