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GNP大国になる日本 [「現代日本経済論」]

GNP大国になる日本 円高で所得収支60兆円の2022年

GNP大国になる日本 円高で所得収支60兆円の2022年

  • 作者: 相沢 幸悦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/04/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

(アマゾンには”ソフトカバー”とあるが、この本の表紙は硬いです、笑)
こんな本を買ってしばらく”積ん読”して、最近ようやく読み始めた。著者相沢さんは埼玉大の先生です。
本書では、1ドル70円前後の円高の為替レートを前提に議論が組み立てられており、1ドル93円台という今の為替状況には必ずしも適合しない部分も若干ある。
(本書は2012年4月発行)
しかし、わが国を取りまく国際経済の状況を概観した部分の記述がゆらぐことはないでしょう。
前の記事で、グローバル恐慌について紹介しましたが、そんな不安定な経済状況の中で、わが国はどのような道を取るのが正しいのか、考えてみたくなったのです。

私は6年ほど前から通信教育課程(経済学)を受講しています。私の知る限り、課程のテキストには、今現在の日本(もしくは世界)の経済状況を直接的に記述したものはないように思います。
経済現象に限らず、歴史というものはその事件が落ち着き、しばらくして歴史的、社会的な評価が定まってからでないと、教科書には取り上げにくいのかもしれません。
かといって、わが国を取り巻く状況について、現状認識をおろそかにしていいということにはなりません。(マクロ経済学の学習ガイドには新聞を毎日よく読めと書いてあります。)
卒業論文など、自分でテーマを設定して書く場合には、問題意識、そして現状認識がしっかりしていないと説得力のある文章を書くことが難しいと思います。
つまり、私たちの社会が、どの方向に向かって進んでいくのかを先回りして考えないことには、質の良い研究はできないでしょう。

そのような文脈で、学校のカリキュラムでカバーされない(しかし自分にとって必要な)部分は自分で本を読むなりして補いましょうというのが、このブログでカテゴリー「現代日本経済論」を設定した理由です。
そのようなテーマに沿っていままで下記の4冊の課題図書をご紹介してきました。

吉野 直行「これから日本経済の真実を語ろう」 東京書籍 2012年

藻谷浩介「デフレの正体 経済は”人口の波”で動く 」 角川書店 2010年
 
西澤 隆「日本経済 地方からの再生」東洋経済新報社 2009年

中野 剛志「グローバル恐慌の真相」 集英社 2011年

可能ならば、読書会でも開いて、参加者の間でディスカッションや研究発表会でもやりたいのですが、なかなか筆者の気持ちの余裕がありません。(情けない話ですが自分の科目の習得で手一杯の状況です。来年は今よりも少し余裕が出来ているといいのですが。)
もしここでご紹介した本を読まれて感想などをこちらの記事のコメント、もしくはブログメールにお送りいただけましたら幸いです。

さて本書に戻って、この本の議論の出発点は、1000兆円ともいわれる公的部門の債務をどうやって解消するかというところから始まっています。
経済書コーナーに行ってみるとわかりますが、やれ、日本は破綻する、他方いやこれから日本は大変な好況になると、それこそ経済に関する言説は百花繚乱です。

こんな今だからこそ、自分なりの社会や経済に対する見方を確立したい。そうでなければ、何のためにてまひま掛けて経済を勉強しているかわからなくなってしまいますものね。


デフレからの脱却は無理なのです [「現代日本経済論」]

日経ビジネスオンラインを読む。
「総合トップ > 政治・経済 > キーパーソンに聞く 」
"デフレからの脱却は無理なのです" 水野和夫・埼玉大学大学院客員教授に聞く  
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130116/242345/?P=1  (一部会員登録<無料>が必要)

”水野:デフレからは脱却できないでしょう。そもそも成長できなくなったという前提でどうするかを考えなければいけないのです。 ”(同サイトより)

私も同様の感想を持っています。経済成長を終え、新たな時代に突入したわが国はデフレからは脱却できないし、経済成長もしないという前提で政策を考えるべきだと思います。

雪が降った翌日、学校のグラウンドに雪が積もっています。拙宅の近所も日陰は雪がのこっています。
皆様楽しい週末をお過ごし下さい。
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「アベノミクス」か「アベリスク」か [「現代日本経済論」]

 日経ビジネスオンライン 倉都康行の世界金融時評 ” 「アベノミクス」か「アベリスク」か 2013年の市場視線は長期金利へ”を読む。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121228/241684/?P=1

”「インフレ・ターゲット」や「公共投資拡大」といった勇ましい、そしてややアナクロの匂いすら漂う政策を、日本の市場も「アベノミクス」と囃しながら期待感で湧いている。 ”
”株式市場は「アベノミクス」を歓迎しているが、国債市場にはさすがに「アベリスク」への懸念が強まっている” (日経ビジネスオンライン 総合トップ > 政治・経済 > 倉都康行の世界金融時評より引用)

私も、このコラムの主張と同じような感想をもっています。
私は、通信教育で、財政学、金融論、社会政策などの科目の単位をとりました。
財政学では財政破綻について、金融論では金融商品のリスクと金利との関係について学びました。
それらから得られる知見を総合すると、中身のない、公共事業中心の旧態依然とした積極財政には反対という結論が導き出されると思います。
間違ってもアベノミクスのような政策は出てきません。

なぜならわが国の公的部門は中央も地方も財政の余力がないからです。
わが国の公的部門の累積債務の状況は危機的状況です。くわえて社会保障改革もまだ道半ば。
まだ大丈夫と思っているうちはいいですが、そろそろまずいかもと思われるようになってからでは手遅れです。
今の政権がそういった危機感・・・長期金利の上昇とそれによる経済への悪影響、国債利払い費の増加を含む・・・をもって経済財政運営に臨んでいるのかどうかはなはだ疑問です。(昨日も国債発行枠に関する報道・・44兆円の枠にこだわらないという・・がありました。)

ともかく、GDPの2倍とも言われる公的部門の債務残高が積みあがっている状況で、さらに積極財政を行なおうとする姿勢は理解に苦しみます。
きっと民主党政権とはここが違うんだといいたいのでしょうが、もしかするともうすこし経つと、民主党政権の経済運営が意外とよかったという評価が下るかもしれません。

今、政治にもとめられていることは、わが国のみならず、世界の経済は歴史的な転換点にたっているという認識に立って、新しい時代にふさわしい国の形を語ること。そして国民の不安を払拭することです。
旧態依然とした政策で、国民の不安を糊塗するのは間違いだと思います。そんな政策は短期的には良くてもいずれ馬脚を現すでしょう。

安倍首相には今からでも遅くないので、この本を読んで危機感を共有していただきたいものです。

これから日本経済の真実を語ろう

これから日本経済の真実を語ろう

  • 作者: 吉野 直行
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2012/09/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

さて、通勤電車の中では通信教育の教科書を読んだり、ウオークマンで英語を聞いたりしています。ウオークマン、使い始めて二年目に入りますが、そろそろ買い換えようかな。
別に何が不具合というわけではないけれど・・気分を変えてもいいかなと。

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デフレの正体(再び) [「現代日本経済論」]



雑誌「プレジデント」4月30日を読む。普段はあまり買いませんが、ビジネスマンの読書について気になったので買ってみた。(私も一応ビジネスマンのはしくれであります。)
特集「仕事リッチが読む本。バカをつくる本」
なかなか刺激的なタイトルではある。
年収別に読む本の種類が違うと主張。
それぞれ、社会の仕組みをつくる層、スキルを磨く層、ファンタジーに逃避する層に分けて整理している。
私自身は、学校のカリキュラムの強制力のおかげで、カタイ本を多数読んでいますが、その強制力がなければ、経済学の本一冊満足に読みきれたかどうか、自信がない。
そういう意味では、学校のカリキュラムに感謝しています。昔に買ったまま未読だった経済学の本が、カリキュラムのおかげで、ようやく日の目をみたわけです。

ランキングの中で気になったのが、この本。

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

  • 作者: 藻谷 浩介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 新書

年収1500万円の層「役に立った本」ランキングの3位に入っている。(一位はもしドラ)
そんなわけで、読みかけで放置していたが、再読する気になった。ロジックは明快だが、どうも実感と一致しない。でもそれがデータでみたわが国の姿なのだろう。
現代社会の正しい現状認識がなければ、効果的な政策(企業の企画書でもいい)は書けません。
そういう意味でも、この本は社会人の必読書かもしれませんね。
(もし著者のいう人口の波が、本当にデフレ(注)の原因ならば、上で挙げた日銀の通貨政策の効果は期待できないことになるでしょう。)

また、当講座「現代日本経済論」のテキストとして推薦させていただきます。
この本は経済学の予備知識がないほうが素直に読めるかもしれません。
既存の常識や空気や実感と反する内容がどんどん出てきますが、まずは最後まで読みきってみよう。
(注)前にも指摘しましたが、デフレは連続した物価の下落であり、今の日本経済はデフレではなく、ディスインフレ(物価上昇率の低下、鈍化)と主張する経済学者もいます。

働きやすい環境の整備が財政を助けるかもしれない [「現代日本経済論」]



円高、ドル安、ユーロ安も一服という様相。
輸出産業はほっと一息でしょうか?
円安になったらなったで、今度は原油などの輸入資源の国内価格高騰の影響が気になります。
国内自動車メーカーの一月の生産は好調というニュースもありました。

毎日新聞 2月24日 朝刊10面 「私の社会保障論」”働きやすい環境の整備を” において、山田昌弘 中央大教授(家族社会学、ジェンダー論) は
「男女の労働ギャップが大きい国は財政危機が深刻という関係が見えるように思う」と指摘しています。記事によれば、
=================
OECDが発表した 2009年の男女労働力ギャップ(単位%)
イタリア 31
韓国   30
ギリシャ 29
日本   26
アイルランド 21
スペイン  20
OECD平均 18
(略)
カナダ 9
デンマーク 8
スエーデン 6
フィンランド 3

労働力ギャップの求め方
(男性労働力率-女性労働力率)/男性労働力率

=================
女性の社会進出が盛んな国は、女性の経済進出により課税ベースが広がり、財政を助け、多様性が経済の活性化を促しているという。
わが国では長時間労働や、正規非正規雇用の格差を放置したまま、保育所をいくら増やしても女性の労働参加は進まないと指摘している。

つまり、シンプルに考えると、一国の経済において民間部門の総生産高が増えれば、生産(課税所得)増に比例して納税額も増えるので財政も潤うということでしょう。

私も最初の職場で、上の子が小さいときに職場の理解を得られずに本当に困りました。
大の男がフルタイムで働いているのに、なぜカミサンが働いて、お前が保育所に子供を預けに行くのだと言われ閉口したことがあります。
そのときは子育てをしている人でないと理解できないことはあるんだろうかとあきらめていました。
少子化の対策のためにも日本の労働慣行を改めるべきときがきていると思います。
働く女性が「子供を産むか、それとも働くか」 で悩む、という不毛な二分法にはそろそろ別れを告げるときでしょう。

女性の権利という視点のみならず、財政を助ける、労働力不足に対応するという視点も大事なのだと思います。

明日は雨。4月試験のレポートを一気に仕上げようと思います。


セーフティネットのほつれを直し社会を再構成する [「現代日本経済論」]



国民皆保険の仕組みが、崩壊しつつあるというニュースを耳にした。
保険に加入していない人が所持金がないために病院に行けずに肺炎が重症化してなくなったという。亡くなるまで医療費の負担を気にされていたという。なんともやりきれない。
また私事で恐縮ですが、先週、鼻づまりがどうしても耐えられなくなり耳鼻科にかかりました。定期健診の歯科とあわせて一日に医療費の自己負担を1万円近く払ったところ、財布が空っぽに(おかげさまで鼻はすっきりしました)。
しかし、よくよく考えると社会保障の費用を自己負担できるということはありがたいことです。世の中には医療費の自己負担の重さから、必要な医療にアクセスしようとしない人もいるのです。たかが財布が空になったくらいで文句は言えません。

経済のグローバル化の進展などにより、終身雇用制度や、新卒一括採用といった日本的な雇用慣習が急速に変化し、働く人の中に占める、非正規雇用といわれる人たちのしめる割合が高まっています。総務省の統計「労働力調査(詳細集計) 平成23年10~12月期平均(速報)結果」によると、全体に占める非正規労働者の割合は35%(筆者がエクセル上で集計した値)です。三人に一人以上が正規雇用以外の形態で働いていることになります。

問題は、雇用形態が安定した正規雇用以外の人が多いということ。これは広義の雇用政策のテーマかと思います。
さらに問題なのは、上のMSNサンケイの囲み記事にもありますが、雇用形態が多様化しているにもかかわらず、社会保障制度や福祉などの仕組みは昔のままで、不整合が生じていると、社会政策の講義で習いました。
社会保障と税の一体改革という声も聞かれます。
筆者は、これに雇用、教育制度(社会人の職業訓練も含む)なども含めた総合的な社会の仕組みの見直しが必要だと思っています。
「新卒→終身雇用」の単線式の社会はあきらかに限界が来ています。

ほころび始めた社会のセーフティネットをしっかり張りなおし、安心して暮らせる社会へ再構成していくことが求められています。
この国に、この地域に生まれてきて良かった、と誰もが実感できる社会にしたいものです。
残念ながら今は実現していませんし、非常に難しい課題かもしれませんが、かといって実現不可能なことでもないと思います。

さて、大阪市のアンケートやらのメール調査やらのニュースを聞いて、何か釈然としないものを感じていた。
小田嶋さんのコラムを読み、そういうことかと、すっきりした。
経ビジネスオンライン 「小田嶋 隆 ア・ピース・オブ・警句」 「例のアンケート調査とハシズムの“善意”」

 「民主政治というのは、効率や効果よりも、手続きの正しさを重視する過程のことで、この迂遠さこそが、われわれが歴史から学んだ安全弁なのである。
(中略)  為政者による恫喝を含んだ思想調査は、教師の体罰に似た効果を持っている。すなわち、上の立場の者が下位の人間に脅迫を加えれば、職場からは、ゆるんだ空気が一掃されて、緊張感と秩序が回復するということだ。 (略)彼は、心から大阪を良くしようとしているのだと思う。 だからこそ、やっかいなのだ。」
小田嶋さんの文はなかなか読ませます。


産業の空洞化を防ぐには [「現代日本経済論」]

モノレールの社内広告に、工業団地の立地誘致の広告を見かけることがあります。
国内の工業立地が厳しい状況では、あの手この手で誘致をしてみても、工業団地の誘致は厳しかろうなぁと思いながら広告を眺めています。

筆者が15年前に勤めていた信州松本空港近くの工場では、月例の朝礼で社長の訓話はいつも中国の拠点とのコスト競争の話しになり、「ああ、またあの話しか」と社員は皆苦笑していました。
中国はじめ途上国と安さで勝負して勝てるわけがない。
何か付加価値をつけるとか、差別化をしなければならないと、思っていました。
私のいた工場では、首都圏からの近さを売りに多品種少量生産、短納期で勝負していました。いきおい生産現場はきつかった記憶があります。

工業化では新興国と勝負にならないといって、脱工業化とか、金融立国とかいうのも違和感があります。
一国の経済にとって金融は大事ですが、さりとてそれだけやっていて国が成り立つとも思えない。第一次産業、第二次産業あってこその第三次産業のような気がしますが、いかがでしょうか。

いつだったか、アメリカのシリコンバレーに出張して、宿屋の目覚まし時計つきのラジオがやけに安物でがっかりしたことがあります。
つまり、当時は、私にとってアメリカは先進国で、当然工業製品なども進んだもの、洗練されたが多く出回っているのだろうと思っていたのです。実際にはアメリカよりも日本のほうが品質の良いものがあることに気が付きました。中国製のチープなラジオをみながら、アメリカ国内にはモノを作りが残っていないのかなと思いました。
一部の経済学者などが、アップルの利益率が高いのでそのマネをすればいいようなことを言いますが、それも違うと思います。そういうビジネスモデルもありだと思いますが、皆がそれをまねすればいいというものではないでしょう。アップルはステーブジョブスのような天才が居てこそ、です。

日本はむやみにアメリカの後追いをすべきではないですし、国内産業が空洞化した国にしてはいけないと思います。
スティグリッツかだれか経済学者が言っていましたが、日本のような先進国をつかまえて、農業国だ、工業国だという分類をするのはナンセンスだというのは名言だと思いました。

以前、見た討論番組で、独禁法はじめ産業規制の見直しもありえるような意見もありました。
一考の価値はあるでしょう。
今は、官民が知恵を出し合って、自国の産業を支えていくときですね。


日本経済 地方からの再生/ パエリア [「現代日本経済論」]

週刊現代 2月25日号(講談社)「人口激減社会、有名企業はこう考える」pp.36-pp.46

記事によると、4年前に社団法人・日本経済調査協議会のもとで「人口減少時代の企業経営」というレポートがまとめられた。
記事は、GDPが4割減少するという前提でまとめられたレポートの内容に従って、業界別の未来図を描いている。ぜひ記事を手にとって読んでみていただきたいです。

人口激減社会では、大都市でも郊外から人が消える。この予測を、誇張とか、ばかげているとか、断言できるでしょうか。
大都市圏でさえ、人口が減る時代がやってきます。
 

日本経済 地方からの再生

日本経済 地方からの再生

  • 作者: 西澤 隆
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 単行本


上の書では、地方経済が直面する問題として人口減、景気悪化、環境問題、資源問題をあげています。(西澤隆・桑原真樹 日本経済 地方からの再生 東洋経済新報社 2009 pp.68 )

私は、これに国と地方の財政の問題が加わると思います。

残念ながら、政治のニュースを見ていても、この厳しい時代の日本の地方をどうやって支えるのかという議論はあまり聞こえて来ません。
私は、政治が大阪都とか、東京オリンピック招致とか、そんなことを騒いでいる場合でしょうかと思うんですが。それは私が信州の出身だからでしょうか。
豊かな者が富めば、おこぼれに預かって全体が豊かになるという「トリクル・ダウン」の思想は虚構であることを私たちは知っています。(また、私たちは経済的に豊かな人たちが、資産を海外に逃避させたりしていることもニュースなどで見聞しています。富者に集まったお金が社会に還流しなくなっていると考えていいのではないでしょうか。)

週刊 ダイヤモンド 2011年 10/8号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2011年 10/8号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2011/10/03
  • メディア: 雑誌


お祭り騒ぎで東京や大都市圏が豊かになり、またそこに就業機会があるとなれば、地方からそこに向かって人が集まるだけのことになるでしょう。

また、国も地方も財政が厳しい今の状況では、豊かな中央政府が地方政府を養うことも期待できない。
21世紀の今日、地方の都市は自らの力で自分の街を維持し、そこに暮らす人、独自の文化や伝統を守らなければならないのだと感じています。

今のところ、地方を元気にしようというニュースは地味な扱いですが、私は、その地方の人たちの地道な取り組みの中に未来を見出すしか方策はないような気がします。

「地域リハビリの集い 松本で来月10日開催 長野 」 MSN産経ニュース 2012.1.18 02:07
”「障害者や高齢者がいきいきと暮らせる地域の再生を目指して」をテーマに平成23年度県地域リハビリテーションの集いが、2月10日午後1時15分から松本市の県松本合同庁舎で開かれる。”


地域の人たちの主体的で地道な取り組みが、地域を元気にし、元気な地方が日本を支える、そんな明るい未来にしたいものです。
微力ながら、地方からわが国を元気にする方策を皆さんと共に考えていきたいと思っています。

休みの日に、エビや魚介類を買ってきて、パエリアを作りました。
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なぜ経済を学ぶか 「現代日本経済論」について [「現代日本経済論」]



村上龍さんの本に「だまされないために 私は経済を学んだ」というのがあります。
(私は、まだこの本は読んでないのですが、「すべての男は消耗品である」などのエッセイは好きで何冊か読みました。)

だまされないために、経済を学ぶ。この動機付けはおそらく正しいです。
私も、経済を学んで、経済について自分の頭で考えられるようになりたいと思っています。
そうでないと、世間にあふれる俗説、うそ、誇張、宣伝などにだまされてしまいそうで。
2007年に学習をはじめて、もう5年目になります。すこしは経済を見る基礎眼力はついたでしょうか?
経済ニュースを聞いて、「なんかヘンだ」と思う場面は結構あると思います。
しかしながら、そのニュースのどこが、なぜおかしいのか、論理的に考えることは結構骨の折れる作業だったりします。

そういうわけで、私が独自に設定する「現代日本経済論」について、またお知らせです。
この科目を学ぶことにより、今日の日本経済が直面している問題について考え、よりよい処方箋について、自分の頭で考え、あるべき社会の姿を模索することを目的とします。
日本の経済に関する書籍を読み、ときに荒れ狂う現実経済の荒波から一歩引いて、経済史の視点で、今日の現実の経済を考えてみる。
そんな機会になれば幸いです。(講座?の期間は特に定めません。)

また、ときに経済学の基礎知識を前提に記事を書いたりするかもしれませんが、理論の内容を理解するための基本書についても随時ご紹介する予定です。

すでに二冊参考文献を指定しました。
今回はこの書を推薦します。
この書を読むことで、日本を取り巻く世界経済の現状について理解を深めます。
また話は経済思想史にまで及びます。
わが国がTPPで目指すとしている輸出立国の発想は、ケインズ前どころか、スミス以前の重商主義に逆戻りしていると指摘しています。(pp.94-95)

グローバル恐慌の真相 (集英社新書)

グローバル恐慌の真相 (集英社新書)

  • 作者: 中野 剛志
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/12/16
  • メディア: 新書


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