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帝都復興計画 エッジガード [街づくり]

”帝都復興計画とは、関東大震災で壊滅的な被害を受けた首都東京の復興計画であり、1923年9月6日、当時の山本権兵衛内閣の内相・後藤新平が「帝都復興の議」をまとめ閣議に提案する。
9月12日 帝都復興三則の詔書が出され、東京の再建は旧状の復旧ではなく、面目を一新する復興が政府の公式方針とされた。
後藤新平は南満州、台湾などの都市計画ですでに経験済みの大胆な手法で東京の都市再生を試みたが、世間の無理解と反対に遭い計画は大幅に縮小された形で1930年一応の事業完了を見る。
その後、東京は、第二次大戦後の戦災復興計画の実施に失敗し、帝都復興計画の遺産を食い潰しているのが現状である。”
(越沢明 東京の都市計画 岩波書店 1991 pp.34-85 より)

東京の都市計画 (岩波新書)

東京の都市計画 (岩波新書)

  • 作者: 越沢 明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/12/20
  • メディア: 新書


この書を読んでいて興味深かった点:
① 帝都復興院は、震災のわずか数週間後の9月27日に発足している。東日本大震災の復興庁が発足するまで11ヶ月を要したのと対照的である。

「都市再生」を問う―建築無制限時代の到来 (岩波新書)

「都市再生」を問う―建築無制限時代の到来 (岩波新書)

  • 作者: 五十嵐 敬喜
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/04/18
  • メディア: 新書


② 後藤新平はじめ明治、大正の政治家が骨太な歴史観、国家観をもって街づくりに臨んでいるのに対し、小泉内閣の都市再生をはじめ、現代の政治家は都市計画をカネ儲け・利権のネタとしか考えていないようにも思え、とくに歴史観、街づくりの哲学の欠如が顕著。
わが国の長い歴史、江戸、明治、大正、昭和、平成、そして21世紀の今日。
自分たちはどのような歴史の文脈の中で生き、どのような都市、どのような社会をつくろうとしているのかが、たとえば東京の街づくりを見ていても、まったく不明確である。

このブログでも書いていますように、筆者は、都心に超高層ビルをドンドン建て、自動車を中心とした交通体系で都市を支え、そしてそれこそが国の活力だと考える時代はすでに終焉を迎えつつあると思いますが、この「20世紀型の都市開発」という思想は強力にわが国の社会に根を下ろしているようにも見えます。

21世紀の街づくりのあり方について、専門家は
「都市拡張時代が終わり(中略)、これまで作り上げてきた都市のストックをいかに更新していくか、総人口の減少と大都市への集中の鈍化への対応」をあげています。(田中重好 「都市計画と街づくり」/藤田・吉原編 都市社会学 有斐閣 1999 pp.206-207)

本来、都市計画は、行政が一方的につくり、住民が従うというものではないのでしょう。
わが国でも、自分たちの街がどのようにあるべきか、市民、住民の一人ひとりがしっかり考え、実現していくという時代が訪れると思っています。


さて、クルマの一ヶ月点検の際にドアのエッジガードをつけました。
mol.jpg

メーカーのパーツはフロントのみ。後ろはイエローハットで買ったパーツを自分で装着。
mol2.jpg


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コメント 8

yanasan

狭い駐車場等でドアを開ける時に不注意で壁や隣の車に当てる事がありますものね
by yanasan (2012-02-12 21:43) 

Loby

最近は小粒の政治家ばかりですね。
それだけ日本(国民)は不幸ということですね。
歴史の転換期には力あるリーダーが出現すると言われていますが、まだ日本の転換期に達していないのでしょうか。
by Loby (2012-02-12 22:05) 

K

おじゃまします

そういえば最近の車にはサイドモールがついている車を、ほとんど見かけませんね。エッジガードは無いと傷だらけになりそうです^^;。


インフラのほとんどが約1億3千万人の生活を支えるようになってしまっているでしょうから、いつ誰がどうやってこれらを取捨選択をしていくのか、多いに気になるところです。


by K (2012-02-12 22:31) 

tsun

ドアのエッジは結構当てますね。
よく見ると傷だらけになってます。
by tsun (2012-02-12 23:23) 

旅爺さん

車のドアー開けは気をつけてますが
スーパーではドアーでドカン!”と何度もやられてます。
by 旅爺さん (2012-02-13 09:15) 

Silvermac

巨大ビル乱立の時代は終わったようですね。
大都市も、地方都市も空襲で建物のみならず、文化・歴史・伝統までも失った気がします。空襲を受けなかった地方都市には親から子へ商いが受け継がれているところが多くあります。
by Silvermac (2012-02-13 09:34) 

駅員3

この復興計画で出来た道路、橋、公園など、今まで記事として取り上げてきましたが、後藤新平の思いを考えると複雑です。
今彼がこの世に生きていたら、どんな手腕を発揮したのか…時代は新しい指導者を求めているのではないかと思います[ひらめき]
by 駅員3 (2012-02-13 12:20) 

Azumino_Kaku

shin.sion さん、
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moz さん、


こんばんは、
ご訪問ありがとうございます。



☆ yanasan さん、


そうなんですよ、私の車はコンパクトですがドアは大型のものがついており、気をつけなければなりません。


☆ Loby さん、

おっしゃるとおり、わが国では力のあるリーダーがなかなか現れませんが、そろそろ出番ではないでしょうか(^_^)



☆ K さん、

そうなんですよ、サイドモール、大事ですよね。どちらかといえば、バンパーも塗装のないもののほうが傷が目立たなくていいと思うんですが。。
はい、人口減少の時代に、ふさわしいインフラの構築が急がれますね。


☆ tsun さん、

そうなんですよ、エッジは壁などにぶつけて傷になりますね。
薄い鉄板なので錆びやすいため、クルマを長く乗るためには注意が必要ですね。


☆ 旅爺さん さん、

そうなんですよ、狭い駐車場でドカンと。。
私はなるべく、車の少ないところに停めるようにしております。



☆ Silvermac さん、

はい、もう大きいことは良いことだ、の時代は終わりましたね。
戦後の高度成長で失ったものはあまりにも大きいですね。

地方都市で、昔の街並みを保った街路などは素晴らしいと思います。




☆ 駅員3 さん、

いつもありがとうございます。
残念ながら復興計画が完成する前に彼はこの世を去ってしまいましたね、

心中、忸怩たるものがあったかと思いますが、彼の哲学の素晴らしさは、百年近く経った今もなお、彼のつくった道路や街並みが帝都の骨格を担っていることでも立証済みですね。

おっしゃるとおり、新しい街づくりの思想を持った指導者が必要だと思います(^_^)
by Azumino_Kaku (2012-02-13 21:45) 

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