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デフレの正体(再び) [「現代日本経済論」]



雑誌「プレジデント」4月30日を読む。普段はあまり買いませんが、ビジネスマンの読書について気になったので買ってみた。(私も一応ビジネスマンのはしくれであります。)
特集「仕事リッチが読む本。バカをつくる本」
なかなか刺激的なタイトルではある。
年収別に読む本の種類が違うと主張。
それぞれ、社会の仕組みをつくる層、スキルを磨く層、ファンタジーに逃避する層に分けて整理している。
私自身は、学校のカリキュラムの強制力のおかげで、カタイ本を多数読んでいますが、その強制力がなければ、経済学の本一冊満足に読みきれたかどうか、自信がない。
そういう意味では、学校のカリキュラムに感謝しています。昔に買ったまま未読だった経済学の本が、カリキュラムのおかげで、ようやく日の目をみたわけです。

ランキングの中で気になったのが、この本。

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

  • 作者: 藻谷 浩介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 新書

年収1500万円の層「役に立った本」ランキングの3位に入っている。(一位はもしドラ)
そんなわけで、読みかけで放置していたが、再読する気になった。ロジックは明快だが、どうも実感と一致しない。でもそれがデータでみたわが国の姿なのだろう。
現代社会の正しい現状認識がなければ、効果的な政策(企業の企画書でもいい)は書けません。
そういう意味でも、この本は社会人の必読書かもしれませんね。
(もし著者のいう人口の波が、本当にデフレ(注)の原因ならば、上で挙げた日銀の通貨政策の効果は期待できないことになるでしょう。)

また、当講座「現代日本経済論」のテキストとして推薦させていただきます。
この本は経済学の予備知識がないほうが素直に読めるかもしれません。
既存の常識や空気や実感と反する内容がどんどん出てきますが、まずは最後まで読みきってみよう。
(注)前にも指摘しましたが、デフレは連続した物価の下落であり、今の日本経済はデフレではなく、ディスインフレ(物価上昇率の低下、鈍化)と主張する経済学者もいます。

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コメント 4

Silvermac

タナボタで就任した白川総裁も永くなりましたね。
by Silvermac (2012-04-17 07:02) 

K

おじゃまします

小難しい本も、固定概念や先入観が無ければ、すんなり読めるものかもしれませんね^^。


by K (2012-04-17 20:43) 

Loby

「経済は「人口の波」で動く...」とは、
最近読んだ総合雑誌の特集で掲載アナリストがいみじくも
指摘していたのと同じです。
やはり、その道に徹した人たちは同じような分析・結論に
達するようですね。
横道にそれますが、その専門家の予測では、今後も米国は
”人口の増加”にしたがって(政府がヘマをやらない限り)
堅調な経済成長を続ける。
一方、中国は人口増加が頭打ちになる(10年後?)頃から
経済も停滞し始める... 
というようなものでした。

by Loby (2012-04-17 22:18) 

Azumino_Kaku

さといも野郎 さん、
さきしなのてるりん さん、
いいだや さん、
たね さん、
yanasan さん、
Loby さん、
mwainfo さん、
koh925 さん、
駅員3 さん、
今造ROWINGTEAM さん、
キャラハン さん、
tsworking さん、
gen さん、
ryo1216 さん、
斗夢 さん、
YUTAじい さん、
xml_xsl さん、
Ren さん、
Silvermac さん、
銀狼 さん、
くまら さん、
tsun さん、
Falcon さん、

おはようございます。
ご訪問ありがとうございます。


☆ Silvermac さん、

たしかに長く感じますが残り一年ですか。
「金融緩和が甘い」などの意見もありますが、今の経済状況では、中央銀行の役割は限定されており、それなりによくやっているのではと思っています。




☆ K さん、

おはようございます。

たしかに、この本は妙な先入観は捨てて読んだほうがすんなりと理解できます。
「え、そんなことあるわけないだろう」と手の先入観は、いったん捨てないとダメですね。




☆ Loby さん、

ありがとうございます。
人口を年齢別に検討していくと同じ結論に達するのでしょうか。
この視点は非常に大事ですね。


米国は「移民の国」ゆえ、人口の波に影響されずに成長が出来るということなのでしょうか。
中国の場合は、高齢化の影響、スピードともわが国の比ではないとも聞きました。
経済の多くの部分を中国に依存するわが国の影響も大きそうですね。

藻谷さんの著書の視点がユニークなのは、生産年齢人口の増減が経済の好調、不調を左右するというものでした。
by Azumino_Kaku (2012-04-19 06:17) 

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