週刊ダイヤモンド2月4日号 の特集は「さよなら!伝説のソニー なぜアップルになれなかったのか」
私はソニーの株主ではありませんが、ソニー製品の愛用者ではあります。
ソニーさんにはもっと頑張って頂きたいと考えています。
私は、ソニーはアップルになる必要はないと思っています。理由はあまりに成り立ちが違いすぎるから。
製品に必要な基幹部品、液晶、カスタムICやLSI、デジタルカメラのセンサー、スイッチなどの部品を自社でつくれるのは家電メーカーの強みだと思います。
(アメリカの製造業などで見られるファブレス(工場を持たず、設計などに特化した製造業)というのは良いのかどうか私にも良くわかりません。私が前に勤めていた米系のコンピュータ部品メーカーでは、経営陣は製造コストの増加を嫌って工場部門を切り離しましたが、結局経営の改善にはつながらなかった記憶があります。)
とは言うものの、両者は携帯電話、音楽プレーヤー、パソコンなどの分野では顧客層がかなりかぶっていて、電車の中の携帯電話の製品分布状況を見ていても、従来日本製品を買っていたであろうお客さんが多数アップル製品に流れているのはおそらく間違いないでしょう。
なぜアップルの一人勝ちを許したのでしょう。
ダイヤモンドの記事にはソニー関連のオンラインのIDだけで何種類もあってわかりにくいと指摘があった。(私はそれらを複数利用していないので良くわかりません。)
また、私はウオークマンのユーザで、音楽転送にはXアプリを使っています。
前々からウオークマンの管理ソフト(Xアプリ)と、ICレコーダの管理ソフト(サウンドオーガナイザー)との統合がなされないのが不思議に思いながら、PCのエクスプローラでラジオレコーダの録音をウオークマンに転送しています。
これがもし、アップルだったら一つのソフトで全ての音源を管理するのではないか。
他方、BDレコーダとウオークマンとの動画の共有は良くできていると思います。
日本のメーカーに技術がないわけではなく、おそらく技術力はある。
(現にアップル製品の生産やパーツの供給では多数の日本メーカーが参画しています。ものづくりの視点から見ると、アップル社はモジュラー化、すなわち製品をモジュールに分けた上で、世界中から最適な製造者を探し、そこに委託しているものと思われます。これはパソコンの組み立てなどでは広く普及したやり方です。製品のモジュラー化については、杉浦章介 地理学Ⅰ pp.68 慶應義塾大学出版会 2009 を参照しました。)
日本のメーカーに欠けているのは、分散するサービスを統合して使いやすく分かりやすくしよう、それも劇的に、という思想でしょうか。
アップルの製品の革新性は、直感に訴える使いやすさ、組み合わせの妙と、すぐれたプロダクトデザインと思っています。
対するソニー製品は、PCでもオーディオでもTVでも、おおむね小ギレイにまとまっているが、何か物足りない。
よくいえば手堅い。逆に言えば、面白みがない。
ソニーらしさはどこ?と考えてしまう。
1970-80年代、ソニーのHIFIラジカセやミニコンポ、ポータブルカセットデッキなどに感じられたチャレンジ精神、「尖がり」、飛びぬけた何か、がないように思うのは私だけでしょうか。
家電のコモディティ化と言われますが、家電であっても飛びぬけた個性があれば、低価格競争に巻き込まれずにすむかもしれないのでは。
そうは言っても、いまや会社が大きくなりすぎて、そんなベンチャーのときのような突飛なことはできない、というのかもしれません。
しかしあのトヨタでさえ、今までスポーツカーを製品ラインから外し続けたのは失敗だったと、社長自ら会見して新しいスポーツカーの売込みをしているのです。なぜソニーにそれができないのか。
売れるから、ではなく、これは他の誰もやってないから面白いんだ、とトップ自らが面白がれるような製品をつくれないものか。
従来トヨタの製品ラインアップには、fan to Drive と言いながら、あまり走りの楽しさを期待させるクルマがなかった。
しかし今回の一連のニュースを見ていると、これは期待できそうかと思わせるものがある。
私は、TTEがヨーロッパでWRCに参戦していた頃のトヨタや4WDのセリカは好きでした。
閑話休題。
話しを家電のアップルVSソニーに戻します。
インターネットだ、WIFIだと、世の中はだんだん複雑になっていきます。でもアップルの製品ならこんなにカンタンで素敵な暮らしができます、というのが受けているというのはあると思います。
わがソニーにも、事業部やプロダクトの壁を越えて、真にユーザの立場に立ったサービスとものづくり、あっと驚かせる革新的なものづくりをして頂きたいものです。
それにしても、シャープ、パナソニック、ソニー、NEC、マツダが軒並み赤字決算の見通しとは。
震災、洪水、円高など下押し材料があるのは分かりますが、それにしても明るい話題が欲しいものです。
何か日本の良さが失われてしまったような気がします。
日本全体が何か大切な事を忘れているのではと思う今日この頃です
by 駅員3 (2012-02-04 09:21)
おじゃまします
Appleは今後クラウドに力を入れていくようですが、SONYがどちらを向いていくのかも気になります^^。
ソフトウェアの統合はおっしゃるとおりですね。今春からSONYのカメラ等に付属するという、PlayMemories Homeというソフトウェアの出来も気になります。
最近の車のラインアップを見ていて気がつくのは、FITやSWIFT等々のクラスに多いようですが、MTを選べる車種が増えてきたこと。
これだったらクラッチを踏んで駆動を切れるので、最近多いらしいアクセルとブレーキを踏み間違えての加速する危険性はかなり減ると思うんですが。
86&BRZに関しては、メーカーが狙っている年齢層の方々が、どう反応するのか気になります。
車を「飼う」のはお金も手間もかかるので、どこまで付き合ってくれるのか興味深いですね^^。
by K (2012-02-04 15:51)
HAtA さん、
K さん、
お茶屋 さん、
Ren さん、
駅員3 さん、
斗夢 さん、
xml_xsl さん、
こんばんは、
ご訪問ありがとうございます。
☆ 駅員3 さん、
グローバル化、コスト競争、行過ぎた自由主義・・失われたものは大きいですね。
わが国のよさを見失ってはいけないと思いますね。
☆ K さん、
そうですね、今は電機各社、はクラウド、ソリューション、インフラなどにシフト、ソニーも医療など新しい分野に進出するようですね。
コンパクトカーのMT仕様、きびきびと走れますね。ちなみにデミオもMTありますよ(^_^)
86/BRZはたしかにちょっと高いような気もします、エントリーであれば100万円台の設定がほしいですね。
by Azumino_Kaku (2012-02-04 22:00)
就職人気企業ランキングでは、ソニーはそれでも理系で2位に入ってましたね。製造業を取り巻く環境は厳しいようですが、頑張ってほしいですね。
by tsun (2012-02-05 01:55)