たまには書を捨て街に出よう [信州の景色]
松本城下町歴史研究会編著「よみがえる城下町・松本」郷土出版社 を取り寄せた。
豊富な図版で江戸時代の城下町の風情を再現する。
私の記憶にあるのはせいぜい昭和40年代の松本のまち。江戸時代の様子を見聞するのは初めてである。
それでも、編者たちの問題意識を私は共有できるように思う。
「旧松本城下町は、商店街の近代化や都市再開発事業によって、商都の中心であった本町の道路は拡幅され、商家の蔵は壊されてコンクリートと鉄の塊がひしめきあうビルの町になった。伊勢町は姿を消した」
(まえがきより)
写真は2007年2月の伊勢町の入り口。かつての野麦街道の起点。
今は全国どこにでもあるありふれた街路のように見える。
大規模再開発で、ふるさとの街の記憶が失われたと感じたのは、私だけではなかったようだ。
資料や文献、先行研究を集め、それらと格闘するのは大事だし、少なくとも学術論文はそうしなければ書けない。
しかし、煮詰まったときは書を捨てて町に出るのも大事。(私はまだその段階ではないかもしれませんが)
良い発想は意外なところに転がっているもの。
事件を取材する報道機関の記者は事件の起きた現場を何度も訪れて確認するときいたことがある。
私も、その場に立って、場所の空気を吸い、自分の目と五感を働かせて感じとらなければ、アイディアは浮かばないような気がする
ということで、4月試験が終わったら、久々にふるさとの町を訪れてみたいと思います。
2012-04-09 23:06
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コメント(5)
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昨日のニュースで当地も古い地図が刊行されるようです。
松本城は国宝4城の一つですね。
by Silvermac (2012-04-10 06:13)
現場を見て、空気を感じる…それは素晴らしい事です。
何回も現場を訪れると、今まで見えなかったものが見えたり、感じられたりするものですね。
私も分野は違いますが、いつも講義で『まず現場』と口を酸っぱくして叫んでいます。
by 駅員3 (2012-04-10 09:16)
ん、かくさん確かに本の読みすぎかも(笑)
by さきしなのてるりん (2012-04-10 21:37)
おじゃまします
昔の地名とかって、案外交差点名やバス停に残っていたりしますよね^^。
そうやって散歩に出たとき、昔の痕跡を探して歩くのも楽しそうです^^。
by K (2012-04-10 21:47)
K さん、
さきしなのてるりん さん、
マチャ さん、
tsun さん、
Tomie さん、
今造ROWINGTEAM さん、
銀狼 さん、
お茶屋 さん、
駅員3 さん、
YUTAじい さん、
koh925 さん、
Silvermac さん、
斗夢 さん、
Ren さん、
xml_xsl さん、
tsworking さん、
tooshiba さん、
charingo さん、
こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。
☆ Silvermac さん、
そうですか、高知も歴史がある街、古い地図を見ながら街の散策が楽しめそうですね(^_^)
ありがとうございます。松本はお城と、盆地を囲む山の景色が、街のアイデンティティにもなっているように思います。
歴史的な街並みを大事にしたいものですね。
☆ 駅員3 さん、
ありがとうございます。
駅員3さんもお仕事がら、現場百回なわけですね。
講義や本の執筆など、多彩なご活躍ぶりには脱帽です(^_^)
☆ さきしなのてるりん さん、
はい、ガラにもなく本の読みすぎかもしれません(T_T)
普段あまり読まないのにがんがん読んでいるので、急性「読書」中毒でしょうか(笑)
☆ K さん、
たしかに旧町名などが残っていますね。
都内などで歴史のある建物を巡ったりするのも面白そうですよね。
by Azumino_Kaku (2012-04-10 22:15)