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静かなる大恐慌 [日々つれづれ]

静かなる大恐慌 (集英社新書)

静かなる大恐慌 (集英社新書)

  • 作者: 柴山 桂太
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 新書
2012年出版のこんな新書を引っ張り出してめくってみています。時期的にリーマンショック、欧州通貨危機からもたらされる世界的な経済危機について論じた本だと認識していますが、今の世界経済は、いや人類は、新たな脅威、新型ウイルスの感染拡大によって存亡の危機に瀕しているともいえると思います。そういう意味で、今の危機的な状況は、この本でいうところの恐慌とはまったく意味が違うのですが、経済のグローバル化、より速く、より遠くにと拡張を続けてきた資本主義が思わぬところで危機に直面していると考えれば共通項はあるように思います。コロナウイルスの感染拡大は、いままでグローバル化の推進、つまり利潤の最大化を追求してきた人類への警鐘なのかもしれないと私は思っています。つまりより安く、より儲かるところに、国境をこえて生産拠点をつくり、また販路を拡大して利潤を最大化するという資本主義の一見合理的な行動が、逆に疫学的な危機を招いたともいえると思います。高速で安価かつ大量の輸送手段がないとグローバル資本主義は成り立ちませんが、それらの便益をかなぐり捨てていまや多くの国々が国境を閉じています。この現象をたんなる感染拡大防止のための医療的、疫学的な合理的行動とだけみていると物事の本質を見誤ると思います。911や、東日本大震災のときのように、社会の規範が大きく変わる潮目になるかもしれないと思うのですよね。

コロナ禍後の世界がどんな世界になるかは想像もつきませんが、今までの常識が通用しないような世界に変容してしまう可能性もありえると思います。

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