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グローバル化で世界経済は脆弱に・・ [日々つれづれ]

「グローバル化で世界経済は脆弱に・・」 というのは前の記事にあげた新書 (柴山桂太 静かなる大恐慌 集英社新書 p.33)の見出しです。たしかに この本にもあるように、90年代のわが国のバブル崩壊のときには、影響が世界経済に波及するという実感というか、危機感はなかったですね。そもそも、日本の内と外が、今のようにひとつながりになっていなかったように記憶します。もちろん国内は資産価格が下がるは、銀行やら証券会社やら倒産するはで、日本国内はたしかに大変でしたが、あくまで日本国内のことだったようです。
バブル崩壊前後の1990年代の前半は、インターネットは一般には普及していなかったですね。オフィスで海外側との交渉事があれば、海外課の専門家が処理してくれるものだと思っていました。海外は遠い海の向こうの世界でした。
それから30年近くが経過し、かつて途上国といわれていた国々の存在感が増し、各国の経済が緊密に結びついている今、世界のどこかでおきた経済危機が瞬く間に世界中に波及し、拡散するという本書の指摘を実感をもって読むことができます。

今回の危機において、ウイルスの脅威を封じ込めること、それと同時に、経済のグローバル化の前提条件としての自由な貿易、資本移動、つまり人、カネ、モノの移動の自由を両立できるのかという難題を人類がつきつけられているような気がします。

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