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マイナス金利(徳勝礼子) 東洋経済新報社 を読む [通信教育で経済を学ぶ]

マイナス金利

マイナス金利

  • 作者: 徳勝 礼子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: 単行本
 
 
 
 
 
なかなか読み進まないのですが、少しずつ進めています。クロスカレンシー・ベイシス、スプレッド、為替フォワードと専門用語が登場しますので、読み進めるのにそれなりに気合が必要ですが、金融の専門知識がなくても読めるとは思います。 
私は当初ここでいうところのマイナス金利は、日銀の金融政策としてのそれのことを意識していました。しかし、本書を読み進めるうちに、日銀の政策とは別に、経済の実態が既にマイナス金利に適合するような状態になっているのではないかと思い、すこし不気味な感じがしています。


以前にもご紹介した水野和夫さん(法政大教授)の説(代表例として下の書をあげます)、つまり、端的にいうと国内には利潤をあげられるような投資の対象がなくなっているという主張と照らし合わせると、納得がいくように思います。
やや乱暴に水野さんの説を要約すると、21世紀の今は資本主義が終焉し、次の経済体制に移行する時期であり、いままでのやり方が通用しなくなっている。より速く、遠くにというグローバリズム、グローバルマイグレーションの方向性も転換期にある。投資対象に投資しても利潤が上がらなくなっているときに、お金をいくら市場にばらまいても(緩和政策をとっても)、意味がない。バブルが発生するだけだと、そういう解釈です。

やや飛躍しますが、上にあげた書のサブタイトル(ハイパーインフレよりも怖い日本経済の末路)を読み返すと、たしかにそうかもしれない・・と思ってしまいます。劇的な末路でなく、緩慢な衰退です。

私が以前取り組んでいた(昨年修了しましたが)大学通信教育で経済学を学ばれている学生さんがもしこれを読まれていましたら、ぜひここにあげた書籍のご一読をおすすめします。直接的には金融論などの単位取得にはつながるものではないかもしれませんが、現代経済社会の理解には役に立つと思います。
 
100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代 (日経ビジネス人文庫)

100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者: 水野 和夫
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/04
  • メディア: 文庫



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