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現代における教養とは何でしょうか / 首里城 その5 [沖縄の風景]

新聞のコラム 記者の目:北杜夫さんを育てた旧制高校、 今こそ「教養教育」が必要 毎日新聞 2011年11月25日 東京朝刊 を読む。

私もむかし北さんの「青春記」を読み、旧制高校の校風にあこがれた一人です。
コラムの澤記者とほぼ同じ時代を大学ですごしたので、1980年代の大学の雰囲気はよくわかります。
大学紛争の後、政治に無関心な若者がキャンパスを闊歩し、大学がレジャーランド化したと揶揄されていたころ。
今にして思えば、当時の若者は元から無関心なのではなく、1970年代の反動で、政治的に「去勢」されていただけだと思います。
若者がヘタに政治に関心を持つと何をしでかすか分からない。
それなら、お金を与えて遊ばせておいたほうがマシと大人(親)たちがそう仕向け、学生もそれに乗っていただけなんじゃないか。

心理学の講義ではスチューデント・アパシー(学生の無気力)なんて用語もあった。
アパシーとはまさしくその頃の私のことかもしれません。
ブランド品を身につけサークル活動に励み、クルマを乗り回し、異性と軽やかに交際する学友たちには罪がないのかもしれないが、私には何のためにそんなことをしているのかちっとも分からなかった。
私は、無いものねだりと分かっていながら、大学のキャンパスに、「旧制高校の教養のようなもの」、をどこかで求めていたのだと思います。
そんな貧乏学生が華やいだキャンパスの環境に適合できるわけもない。

そしてぼんやりと、何をすべきか良くわからないままに勉強もあまりせずに一人本を読んだり、学費稼ぎのバイトをしたりして過ごしました。

そして、21世紀のいま、教養って何だろうとふと考えます。

前の記事で、「経済の議論をする場をつくりたい」と書きました。
そこでどんな議論をするかというのも大事ですが、もっと大事なのは、おそらくアウトプットや結果よりもプロセスかもしれません。
仲間と真剣な議論をするということ自体に価値があるんではと思っています。
記事にもある問い 「人生とは何か。」
問いに対する正解は何ということにさしたる意味はありません。
それよりも、議題について、真剣に考え、自分の意見を出すことが大事だと思います。

週刊 東洋経済 2011年 11/26号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2011年 11/26号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/11/21
  • メディア: 雑誌


かなり我田引水ですが、経済学も、上の雑誌で紹介されている「教養」の中に入っており、経済学を勉強している私としては、少しうれしくなりました。
マンキューのマクロ経済学(東洋経済) などの書籍が紹介されています。
経済学系の学生がマクロの教科書を読むのは当たり前として、それ以外の方にもお奨めできる読みやすい本だと思います。

マンキュー マクロ経済学(第3版)Ⅰ 入門編

マンキュー マクロ経済学(第3版)Ⅰ 入門編

  • 作者: N. グレゴリー・マンキュー
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/04/08
  • メディア: 単行本


写真は、那覇・首里城の様子です。
御座床(うざすか) 国王の王としてさまざまな儀式や祝宴が行なわれた。
seiden1.jpg

seiden2.jpg

seiden3.jpg

uzasuka.jpg


王室で使用された日傘。
higasa.jpg


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コメント 4

Loby

おはようございます。
”仲間と真剣な議論をするということ自体に価値がある…”
まったく同感です。
(いつも同じセリフでスミマセン^^;)
経済について、人生の意義について等々、話すことが少なくなった現代は、”哲学不在”の貧しい時代とも言えますね…
by Loby (2011-11-26 04:03) 

Silvermac

今の学生の大半は「学ぶ」という意識が少ないように思います。
大学は社交の場となったようです。
by Silvermac (2011-11-26 06:08) 

moz

学生時代に、酒を飲みながら仲間達と色んなことを話しました。
そのことって、結構今でも覚えています。そんなことが今の自分の基礎部分を作っているのだと思います。
人生とは、友とは、愛とは・・・、少し恥ずかしくなる内容ですけれど、真剣に話していました。
今の学生さんたちは、こういう話はあまりしないようですね。
それに、酒をとことん酌み交わすようなこともしないみたいです・・・。
by moz (2011-11-26 16:40) 

Azumino_Kaku

takoshi さん、
moz さん、
駅員3 さん、
斗夢 さん、
Silvermac さん、
Loby さん、
xml_xsl さん、



ご訪問ありがとうございます。





☆ Loby さん、

おはようございます。
ほんとに最近、仲間や家族と真剣な議論をする機会が少なくなりました。
新聞記事には実学偏重とありましたが、いまは本当に「哲学」がないがしろにされている感じがします。
哲学は、それがすぐに何かに役に立つわけではないにしても、もしそれがなければ人生を生きる意味がない、というくらい大事なものだと私は思っております。

ブログやチャットなどのインターネット技術を活用したり、オフ会など何かの場を利用して、そういう議論を深めていけたら良いですね。


☆ Silvermac さん、

おっしゃるとおりですね。
学校での社交も大事ですが、学びや真剣な議論も大事ですね、クルマの両輪のようなものでしょうか。

大学生も三年生になったら就職活動で、ちょっとかわいそうです。
人生の中で、こんなに自由になる時間はもう二度とないというくらい貴重な時期ですから、有意義に過ごしてもらいたいものです。




☆ moz さん、

そうでしたか、mozさんは、お友達にめぐまれ、素敵な学生時代を送られましたね(^_^)
若いときにしか出来ないような、多少青臭くもある、そんな議論が、いまの自分を形成している、いやぁ、いいです(^_^)

いまの学生は何を話しているんでしょうか。うちの子は結構夜遅くまでだべっているので、何を話しているのか、今度聞いてみます。

by Azumino_Kaku (2011-11-26 21:09) 

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